メイフラワー

□止まらない
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刑事さんが部屋に入ってきて、私は流れるままに外へ出た。


そして聞かれる事に対して、詰りながらだけれど答えていく。


けれど、私の問いに答えは返ってこなかった。



呑田先輩はドコ?






***止まらない***






「呑田菊三は死にました。はい、そうですか―…なんて言えませんよ、先輩。」




動かなくなった先輩を前に、私はそんな軽口を言ってみる。
いつもなら返ってくる返答も、笑い声も、もちろん彼から返ってくることなんてなく、ただただ青い顔の彼がいた。




けれど、そんな先輩を見ても私は声を掛けずにはいられなくて。





「そういえば私に話があるっていってましたよね?」





静かな部屋に私の声だけが響き渡る。




「私…っ、聞いて、ない、ですよ?」




大きい手を握ると、あんなに暖かかったものがまるで氷になってしまったかのように冷たくて、


あぁ、本当、先輩ってばどうしちゃったんだろうだなんて、鼻の奥がツンとした。



もう話すこなんて出来ない。
もう動いてはくれない。



わかっていても辛かった。




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