х短篇:小説х

□孤独と風邪
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サァ──…







「──…、」





曇空から降りしきる雨の中、誰もが傘を差し歩く中で一人傘も差さずびしょ濡れになりそれでも構わずにその場に立ち続ける一人の少女がいた


少女は何も言わず、ただ、天を見上げていた


その腕の中に雨から庇うように一匹の黒猫を抱きながら…ただ、天を見上げていた


通りすがりの人は怪訝そうな目を向けていたが誰一人少女に声もかけず立ち去っていった









その光景を同時に見た五人の人間がいた







その一人は日向ネジだった





その日も簡単な任務を終えた帰り道で雨が降って来た為、帰宅途中の店で傘を購入しその傘を差し歩いていた



が、ふ、と雨の中通り過ぎる人々がある方へ好奇な視線を送っているのを感じその方へと視線向ければ一人立っている少女が自分に背を向ける形で立ち尽くしていた







「(あれは…まさか。)」







その見覚えのある後ろ姿に足を止める





「テンテン…?」





少女は腰まである長い髪をそのまま下ろしていた



テンテンとは頭の上部できっちりと二つに纏めたお団子ヘアーのくの一


同じ班のチームでネジが想いを寄せる人でもある

つい、この前まで片想いだったが最近になって付き合い始めた

今、自分にとって最も愛しい人





一瞬、見間違いだと思ったが直ぐに彼女だと確信した







「(彼奴は…風邪をひいて寝ていると思えばこんな所で何を…、)」





そこまで思ったが彼女が傘を差さずに雨に濡れていることに気付き急いで駆け寄った










その他の四人もまた同じ道を歩いていた





「オイオイ…そんなに食って……腹壊すなよ?」


「もぐもぐ…平気だよ。」


「本っ当、よく食べるわねー…。」


「底無しの食欲だな。」





その道を歩きながら会話しているのは



上から順に、猿飛アスマ
他の三人の担当上忍

続いて、秋道チョウジ
常に物を食している

そしてこのスリーマンセルの紅一点、山中いの

最後に何時もやる気の見えないが、同期の中でいち早く中忍に昇格したIQ200以上の天才忍者、奈良シカマルだ





「あらー?」





最初に気付いたのは女の子のいのだった







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