х短篇:小説х

□雨に想う
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οΟ*NEJI*Οο







「‥‥‥。」



外は相変わらずの雨

降り止むような気配は無い


今日は非番で任務は無し

本当ならば二人で何処かに出掛けたい所だが


天気は雨



仕方無く彼女を自分の部屋に呼び、共に時間を過ごすことにした


彼女は窓から外を見てばかりいて自分は読みかけの本を読み、今に至る







「‥‥‥。」



本を読み終わりパタンと本を閉じる







「(‥‥静かだな。)」





周りはしん‥としていて、聞こえてくるのは雨の音ばかり










「(‥‥‥。‥‥?‥テンテンは‥)」





傍に居る筈の彼女の姿を探す





「!」







窓枠の壁に寄りかかり静かに寝息をたてている彼女を見付ける







「(‥‥やけに静かだと思ったが‥)」





ふ と微笑む













少し前までは考えられなかったことだ


こんなにふうに誰かと時を共に過ごし、その時間を大切に想うのも


もう、忘れたと思っていたコト


自然に笑うことが出来る様になったのも





ある少年との戦いで学んだ事がきっかけ



そして

いつも自分を心配し、気にかける
時に修行相手に
時に自分を励ましいつも側にいてくれる彼女の暖かい存在に気付き、彼女の存在を愛しく想うようになったのも



あの少年のおかげ





ここまで自分を変えてくれた少年には感謝している







「(この想いを彼女に伝える時は‥‥苦労したな。こいつは誰にでも優しく、暖かく接するからそれに嫉妬して喧嘩になった事も何度もあった‥)」



スッと立ち上がり近くにあった自分の薄手の上着を彼女にかけてやる



「(最も‥‥後で酷い目に合ったがな;やっと伝えられた時は‥)」


「‥‥ん‥」


「(起きたか‥?)」


「‥‥ふ‥」



また寝息をたて始めた彼女に苦笑しその隣に座り自分より少し小さな肩を抱き寄せる



「(暖かい‥)」





彼女の暖かい存在と肌ごしに伝わる温もりを感じながら自分も目を閉じ己も眠りに就いた













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