宝物

□ふわふわふるる
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佐原が指さした先には
お洒落なショップ。
(そいや前…めちゃめちゃバイト代服に飛んじゃうって言ってたよな…)
「ああ…いいけど」
中に入ると自分とは縁遠いお洒落な世界にカイジは
場違いさに耐えきれず落ち着けずにいた。
「みてみてーカイジさん似合う?」
試着室からでてきた佐原は上機嫌に笑う。
「…よくわかんね…オレいつも着たきりだし」
「じゃあカイジさん俺がみたててあげるよ」
「えっ!?」
カイジは驚いて。
「あーカイジさんにはこの色かなあ…そんでね…これ重ねて…」
佐原は楽しそうにカイジに服を合わせる。カイジは照れたように頬を染めて。
「あっこれいい…着てみなよ」
「い…いいって…」
「いいから」
佐原はカイジを試着室に押し込んだ。
(う…わ…こんなの絶対似合わないってオレには…でも…せっかく選んでくれたし…)
カイジは悩みながらも服を着替えて…
「可愛い!!つか似合う」佐原はうっとりとカイジをみつめた。
「着慣れないから…なんか…」
いきなりパシャリと音がする。
「!?」
佐原が携帯のカメラで撮影したのだ。
「いただき♪待ち受け決定」
「なにとってんだよバカ!!」
カイジは真っ赤になって。
「オレ…着替えてくるから」「んじゃカイジさん着替えたら帰ろう」
「え…?お前買わないの?」
「いつでもファッションショーだけならただだし、オレ服なんかよりこの生活守りたいから」
佐原はにこっと笑う。
カイジは泣きそうになって慌てて試着室に入る。
服を脱ぐとぺたんとその場に座り込んで涙を止めようと必死になった…

「あー楽しかったあ…」
帰りの電車佐原はうれしそうに言った。
ぽすっと肩に何かがあたる。
いつのまにかカイジがぐっすりと眠っていた。
佐原はくすっと笑うと
カイジの髪を撫でる。
(これからもよろしくね…カイジさん)
カイジにキスをすると佐原はそっと目を閉じた…





「二人でお買い物」というリクエストに答えてもらいました☆
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