小説

□29話 始まる対決
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少人数の中、一日きっちりと授業を受けた由稀菜達。
放課後になり、由稀菜達七人と悠は蔵書室に集まっていた。
机の上にパートナーを置き、まだ来ぬロウを待っていた。
そんな時、開けてあった窓からロウが入ってきた。

「敵からの第一戦目の知らせや。」

ロウは由稀菜に丸められた紙を渡す。
そこには、見慣れた明希の文字で一戦目の事が書かれてあった。
由稀菜はそれを声に出して読み上げる。

「一戦目の戦場は中庭にて行う。武器は何を使用しても良い事とする。どちらかパートナーが戦闘不能となった時点で負けとする。・・・そして、最初の対戦者は・・・」

対戦者の名前を言う前に、口をつむぐ。
みんなは由稀菜を見る。

「・・・最初、は。・・・乃莉ちゃん、と、真、だよ。」

乃莉香の方を見る由稀菜。
他のメンバーもつられて乃莉香とみつを見る。

「最初は私達だって、乃莉ちゃん。」
「・・・だね。」

乃莉香とみつは顔を見合わせる。
里奈は心配そうに、お嬢さん、と乃莉香の名前を呼ぶ。

「大丈夫、勝つから。・・・ね、みつ。」
「勿論よ、乃莉ちゃん。」

ニッコリと微笑みあう、乃莉香とみつ。
そんな一人と一匹を見て、ホッと安心する。

「対戦は明日の9時開始。授業の事は心配するな。明日を楽しみにしている。・・・だって、さ。」

内容を全部読み終える由稀菜。

「今日は明日に備えてもう帰った方が良さそうだね。」

悠が言う。
みんなは、うん、と首を縦に振る。

「乃莉ちゃん!明日の為に私達が武器作ってあげる!」
「オレ達に任せてくださいッス!」

遥と暁が力強く言う。
乃莉香はお礼を言い、遥と暁だけに聞こえるようにこっそりと作ってほしい武器を頼む。
遥は乃莉香の注文を聞き、了解、と言う。

「それじゃあ、帰ろうか。」

全員はそれぞれの家路についた。





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