小説

□23話 高い高い山の上
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「みなさん。ゆっくり寝られましたか?」

朝食を食べ終えた由稀菜たちW高の生徒は、バスで修学旅行最後の目的地へ移動していた。
最後の目的地、それは・・・

「ではこれから、大倉山ジャンプ台に向かいます。」
「・・・高いよね、絶対。」

ジャンプ台と聞き、高い山を思い浮かべる由稀菜。
高いところが大好きな由稀菜は、とても楽しそうな顔をしている。
そして、由稀菜がドキドキと胸を高鳴らせている間に、目的地に到着した。

「・・・わー。」
「予想以上だわ。」
「うん。」

ジャンプ台の前まで来たW高の生徒。
思っていた以上に高く長いそれを見て、唖然とする由稀菜だった。

「由稀ー!」
「んー?」

そんな由稀菜のもとへ、柚香子がやって来た。
そして、アニキが入っているであろうバックを由稀菜の方に差し出す。

「・・・?」
「預かっててくれないかなぁ?」
「何で?」
「クロ、クロ、ウザイから。」
「あー・・・。アハハ。なるほど。」
「お願い。」
「あ・・・。うん。」

柚香子の辛さが目に浮かんだ由稀菜。
由稀菜は、素直にアニキの入ったバックを受け取った。
バックを渡した柚香子は班員達の所へと戻っていった。
柚香子が立ち去った後、由稀菜はバックの中を覗いた。
だが、いつになく不機嫌なアニキの顔を見て、バックの口を閉めた。





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