小説

□16話 大量の敵
1ページ/4ページ

大量のペンギンと向かい合うようになる由稀菜とだい。
肩にかけていた鞄を壁側に置いて、ペンギンをジッと見た。
何をしてくるか分からない。
だから、手が出せない。
そんな時だった。

「キャッ!」
「わっ!」

ペンギンの口から発射された水。
勢いは弱く、水の量は少ないが、ペンギンの量が多いため、威力は強い。
そして、だいと由稀菜はペンギンたちに囲まれ、四方八方から攻撃を受けた。

「ひゃー!冷たッ!!」

ただでさえ気温が低いのに、水を浴びたことで徐々に体温が下がっていく。
このままでは反撃が出来ない。

「だい。何か操れない?」
「敵の動物はまだ操れないんだ。」
「う〜ん。」

相談しながらでも、ペンギンたちは攻撃をやめない。
とりあえず、片手で防御しながら由稀菜はペンギンたちに目を向けた。

(何かないかな・・・?)

辺りを見渡すが、使えるものはなさそうだ。

「あ・・・。」

由稀菜の目に、ペンギンの水槽が目に入った。
しばらく考えた後、由稀菜は近くに居たペンギンを持った。

「何をする気なの!?」

だいの問いに答えず、由稀菜は水をくらいながら一頭を水槽に放り投げた。
激しい水音をたて、少し経って、ペンギンは水槽に浮かんだ。
動き出す様子はない。

「やった!」
「由稀、すごーい!!」

倒し方が分かり、由稀菜とだいはガッツポーズを取る。
ペンギンを倒しきるまで、あと数十分・・・。





.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ