小説

□14話 体験学習はトラブル続き?
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「早朝は寒いから暖房をつけといた方が良いぞ〜!!」

前日の先生の忠告通り、早朝の寒さに体が震える。
六時前に起きた由稀菜はまだ半分寝ているようだ。

「暖かすぎて起きれない・・・。」

二階には個別に暖房器具があり、室温は23度。
北海道にしては夏場の気温だろう。

「ん〜。起きなきゃ・・・!」

かけ布団をどけ、ゆっくりと起きる。
振動が伝わったのか、だいも目を擦りながら体を起した。

「由稀〜?」
「あ、起しちゃった?」
「ううん、平気。それより、どうしたの?」
「早めに起きてみんなを起さなきゃ。修学旅行はこの時間に起床なの。」

そう言って欠伸をする。
まだ眠いのか、着替えをしていてもゆっくりだ。

「これでいい、かなっ。」

ようやく着替え終え、隣のベットに寝ている千晴に手をかけた。

「あれ?」

しかし、そこにいるはずの人物がいない。

「千晴?」

辺りを見回すが、千晴の姿は見えない。

「おかしいなぁ・・・。」

首を捻り、由稀菜は下の階に下りた。
暖房のおかげで一階もそこそこ温くはあった。
しかし、二階との温度差に体を振るわせる。

(まだみんな寝てるよね。)

一階で寝ているメンバーはまだ夢の中。
千晴の事も気がかりではあるが、とりあえずみんなを起こす方が優先だったらしい。
一人一人の肩を揺らして声をかけていく。

「みんな〜!!朝だよッ!!」
「う〜ん」

由稀菜も布団の中で寝ていたいのだが、一生懸命みんなを起していく。
一番手こずったのは里奈だった。
爆睡しているのか、声をかけても起きず、布団をはがそうとしてもしっかりと握っていた。





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