番外編
□奇跡のハロウィン
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皆が持ち合わせたお菓子をテーブルに広たげた。
話しながら食べ、皆はそれぞれの意見を出していた。
「何からする?」
「「王様ゲーム!!!」
種目まで考えておらず、その場で決めようとなっていたゲーム。
それに食いついたのは遥と柚香子だった。
「でも、私・・・あんまり良い思い出がないんですけど。」
「ハロウィンパーティーの出し物って言ったら王様ゲームしかないよ!ね!?」
「ね〜!」
嫌な思い出が浮かんでくるのか、由稀菜は青ざめ、遥と柚香子を説得していた。
だが・・・。
「ねぇ、由稀。王様ゲームって何?」
だいからの一言。
それに柚香子と遥はニヤリと笑った。
「王様ゲームっていうのは、1人から数人分の数字を紙に書いて、箱か何かに入れて混ぜるの。それで、中に入っている“王”って書かれた紙を取った人が王様で、他の番号の人に命令できるゲームなんだよ」
「へ〜。面白そうだね!」
「「でしょ!?」」
ここぞとばかりに2人はだいに肯定する。
「その命令って、何でも有りなのか?」
「常識内でね。キスとかは駄目よ?」
ニヤリと笑ったアニキに向かって言う由稀菜。
流石は部長。
「いいわね〜、それ。私もやってみたいわっ!」
「うん、楽しそう!」
アリスはともかく、みつまでもが賛成した。
6人は全員参加すると言った。
その様子を見て言葉を失う由稀菜。
「ゔーッ。・・・ゆ、悠さんはどうするの?」
「ん?やらないよ?白梅達だけでしてね?」
ニッコリと笑って言う悠。
悠の言葉を聞き、パアッと表情を明るくする。
「じゃあ私もしなぁ〜いvV」
「「え゙ぇーッ!!」」
由稀菜の言葉におもいっきり反論する、柚香子と里菜。
「由稀ぃ〜!何でしないの?」
「部長がしないと、面白くないじゃん!由稀ちゃん?!」
一生懸命説得しようと頑張る2人。
だが、由稀菜は首を縦に振ろうとはしない。
「さっきも言ったけど、王様ゲームは痛々しい思い出しかないから・・・。」
遠い目をして言う由稀菜。
どんな過去があったかなんて、由稀菜本人にしか分からない。
だが、由稀菜が言うのだから、相当の事だったのだろう。
「じゃあ由稀は助っ人って事で!!・・・ね?」
「遥ぁ〜!!」
「ゔー。・・・仕方ない、か。」
「うん。」
遥の一言で、一応諦めた柚香子と里菜。
だがやはり、2人は諦めきれないみたいだ。
「じゃあ部長補佐が仕切らせていただきます!」
手を上げて言う遥。
副部長の柚香子といえば、里菜とクジを作製中。
「遥の姉さん、部長補佐だったんスね?」
「ん?そうだよ?!・・・アレッ?言ってなかったっけ?」
「はいッス。」
疑問に思った暁が遥に問う。
遥の言葉に対し、暁だけでなく他の5人も首を縦に振る。
「由稀・・・部長直属のご指名でねv」
『へぇ〜。』
暁だけでなく、皆して口を揃えて言う。
遥と由稀菜は驚いた様子を見せる。
「・・・あれ、私言ってなかったっけ?」
「うん。」
「・・・そういう事なのですよ!」
皆に説明する由稀菜。
だが、暁の中にはまだ疑問が残っていた。
「・・・いつからッスか?」
「遥がこの部に入部した時。」
「由稀菜に入部する時に頼まれたんだよ。」
「ね〜?」
「ねー!」
由稀菜と遥は顔を見合わせて言った。
・・・つまり、だ。
6匹が由稀菜達の前に現れた時には、もう遥は部長補佐だったのだ。
暁は納得のいった顔をした。
「じゃあ、とりあえず王様ゲーム、始めますか?!」
「だね!クジ、出来たよ!」
柚香子がお菓子の箱に数字と王が書かれた紙を入れた。
振ればシャカシャカと音がする。
「何枚?」
「王様も含めて17枚だよ。」
「多いなぁ・・・。」
由稀菜の質問に答える里菜。
数を聞き、当たる確立低そうだなぁ・・・。すれば良かった。と、思った由稀菜だった。
「よっし!やろう!!」
はいっ、と紙の入った箱を、時計周りに回す遥。
それは、どんどん運ばれ、1人1枚紙を取っていく。
「他の人に見せちゃダメだからね!」
6人に注意する由稀菜。
そんな由稀菜はといえば、悠とお菓子を食べている。
「よっし、皆取ったよね?・・・じゃあ、王様だ〜れだッ!!」
皆が紙を取ったのを確認し、遥が王様を探す。
遥の言葉を聞き、スッと手を上げたのは・・・
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