番外編
□月見
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由稀菜の広い庭に、わらわらと集まる部員の子達。
ここの住人である由稀菜は部屋の奥から出てきていない。
全員、色とりどりの浴衣に身を包み、和気藹々と話していた。
「団子できたよ〜!」
元気よく出てきた由稀菜の手には、小さな台に乗ったたくさんのお団子。
それをピラミッド上に積んである。
「ススキもあるし、空は満月!楽しいね!由稀ちゃん!」
楽しそうに笑いながら里菜は由稀菜に言う。
そして、由稀菜が持ってきたお団子を一つ、口に頬張った。
「こら、里菜!まだ食べちゃダメ!!」
つまみ食いをする里菜を怒る由稀菜。
それに一同が声をそろえて笑った。
里菜は怒られてもなお、次の団子をつつこうとする。
「もう!本番になってから、あげないよ!?」
「そ、それは嫌だよ、由稀ちゃん!」
あまりにつまみ食いをしようとする里菜に、最終手段を使う由稀菜。
それに渋々手をおさめた。
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