番外編

□肝試しで熱さを吹き飛ばせ!
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それは、真夏の昼下がり。
外は太陽がギラギラと光り、暖かいを越えて暑くなっている。
蝉が鳴く事でその暑さが一層増す。

「んあー!」

そんな中、クーラーの効いた涼しい教室で由稀菜達慢研の部員は文化祭の準備の為、学校に来て部活をしている。
一段落つき、由稀菜はぐっと背伸びをする。
由稀菜につられ、里奈も背伸びをする。
そんな時、教室のドアが開いた。

「あれ?」

入って来たのは、悠と真だった。
二人は小声で、涼しい、と言い、由稀菜達の方に近付いてきた。

「どうしたの?」

いつもは由稀菜に用がある二人なのだが、どうやら今回は由稀菜に会いに来たのではないようだ。
用があるのは・・・

「いらっしゃい!」

どうやら柚香子のようだ。

「二人共、例のあれは明後日実施で良い?」
「「うん。」」

三人で何か決め事をしているようだ。
好奇心旺盛な由稀菜は三人の会話に乱入した。

「・・・ねぇ。何の、話し?」
「みんなで花火をしようと思って!」

由稀菜の質問に笑顔で答える柚香子。
由稀菜は花火と聞き、次第に笑顔を見せる。

「誰主催?」
「俺と、由稀のダーリン。」
「・・・明希?」
「そう。」

予想していたものと違う名前が出てきて、由稀菜は少し驚いた。
子供っぽい由稀菜と違い、柚香子と明希が花火をしようと誘うのは珍しい事だった。

「松沢さんに誘われなかった?」

柚香子の問いに、誘われた、とだけ答える由稀菜。
真は、行かないのか由稀菜に聞いた。

「行きたいけど・・・。行っても良いの?」
「由稀なら大歓迎だよ!」
「ホント!?」
「「「うん!」」」
「じゃあ行くー!!!」
「了解。どうせだしひつも行かない?」

ワクワクしている由稀菜から里奈に視線を移す柚香子。
里奈はうーん、と唸る。
そんな悩んでいる里奈に神の一声。

「ひつ、行こ?」
「うん!!!お嬢さんのお誘いは断れないもんね!」

乃莉香の誘いで、里奈も参加する事となった。

「じゃあお二人さん、明後日の夜七時に駅集合な?場所までは俺が連れて行くから。」
「「メンバーは?」」
「俺と松沢さん、ひぃちゃんにみぃさん、ちーくんに奈都美に真、それに由稀とひつね?」
「「了解。」」

由稀菜と里奈は明後日の事を頭の中に入れた。

「じゃあ、また明後日ね?」

用件を伝え終え、悠と真は教室を出て行った。
花火をするのが楽しみな由稀菜と里奈は、明後日の事を考えながら顔を見合わせ微笑した。
自分達を見て、柚香子と遥と乃莉香が顔を見合わせているという事も知らずに・・・。





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