番外編
□初めてのバレンタイン
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「へぇ!そうなんだ!」
「そ!だからこうして私も準備してるわけよ!!」
キッチンに立ち、板チョコを手で小さく割っていく由稀菜。
それを楽しそうに見るだい。
「そんなの、あったんだね。」
「思い出せない?」
「・・・うん。」
バレンタインの説明を由稀菜なりに分かりやすくだいに説明してあげた。
説明を受けただいは、目をキラキラさせて由稀菜に嬉しそうにこう言った。
「僕も手伝いたい!」
・・・と。
「由稀は誰にあげるの?明希ちゃん?」
「勿論よ〜!!でもね、さっきも説明したように、お友達にあげる風習もあるのよ?!だから、里奈やクロたちにもあげるつもり!」
毎年楽しみにしててくれるしね〜、と嬉しそうに話す由稀菜。
そんな由稀菜の手が止まる。
「・・・どうしたの?」
「ねぇ、だいも作ってみない?」
「僕が?」
「そう!クロにチョコを作るの!!」
だいに、クロのために作ってあげればどうかと提案してみる。
突然の事でだいは驚く。
「で、でも、由稀のお母さん達に見つかったら・・・。」
「大丈夫!今日母さんは仕事だし、弟は部活で妹は友達の家で友達と一緒に作るって言ってたし、誰かに見られる心配はないよ!!」
「う〜ん・・・。」
「私が教えてあげる。簡単なの、作ってみよ?」
説得する由稀菜。
だいは下を向いてう〜ん、と唸る。
そして、顔をあげる。
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