番外編

□奇跡のハロウィン
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「ハッロウィン、ハッロウィンv」

ここに、ハロウィンが大好きな少女が一人居る。
少女の名前は由稀菜。

「ここ最近、ずっと敵を倒してばっかだったしね・・・。今日ぐらいはゆっくりしたいよね?」
「そりゃぁねぇ・・・。」

由稀菜の横に並び、一緒に廊下を歩いているのは悠である。
2人は今、図書室の横にある“蔵書室”へと向かっている。
あっという間に着き、由稀菜は蔵書室のドアを開けて中に入った。

「由稀ッv」
「だいっ!」

蔵書室に足を踏み入れた途端、由稀菜に飛びついてきたのは、犬のぬいぐるみ。
・・・名をだいと言う。
部屋の中には、だい以外にも5匹のぬいぐるみが居る。
クロネコの“クロ”。
ウサギの“アリス”。
クマの“みつ”。
イタチの“暁"”。
わしの“アニキ”。
そして、ぬいぐるみ達のパートナーの人間が5人ともう1人。
8人と6匹は、6匹の失った記憶と人間の姿を取り戻す為、記憶の欠片とも呼べる敵を倒している。

「で、お前ら今日は部活だろ?迎えに来るの早くねぇか?」
「今日はハロウィンパーティーをするから、皆も連れて行ってあげようと思って。」

クロの質問に答えたのは、クロを肩に乗せている、クロのパートナーの里菜。
里菜の言葉を聞き、喜ぶアリスとみつ。
流石女の子といったところだろう。

「私達も良いの?」
「うんッ!」
「わぁ!!私、お菓子大好きvVねっ、アリスちゃん?!」
「なら良かった。」

アリスの言葉に対し、返事をしたのはアリスのパートナーの奈都美。
続けって、みつの言葉に対し、返事をしたのはみつのパートナーの乃莉香。

「とりあえず、これをあげるよ。」

里菜がポケットから取り出したのは、キャラメルだった。
それを見て、苦い顔をする由稀菜。

「それ、食べてごらん?」

ニヤニヤと笑う千晴。

「何スか、アレ。」
「キャラメル。・・・修学旅行で買ってきたんでしょ?」
「うん!」

暁の問いに対して答える、暁のパートナーの遥。
里菜は、6匹にそのキャラメルを渡す。

「それさぁ、ジンギスカンキャラメルでしょ?」
「流石由稀ちゃん!一回食べただけあるねv」

嫌そうな顔をする由稀菜に対し、ニッコリと笑って言う里菜。
6匹はジッとキャラメルを見る。

「コレ、美味しいの?」
「コレの記憶は戻ってないの?」
「「「「「「うん。(おう)」」」」」」

だいの質問に対し、由稀菜が質問で返すと、ぬいぐるみ達は口をそろえて首を縦に振った。

「じゃあやめた方がい「じゃあ余計に食べなきゃっ!!」い…。」

由稀菜が言っている途中で、アニキのパートナーの柚香子が口を出した。
柚香子と里菜と千晴はニヤリと笑う。

「まぁ、試しに・・・。」
「僕もッv」
「オレ様も・・・。」
「じゃあ私達も食べよ?」
「うん!!」
「あ゙ーッ!!」

6匹はパクッと一口でキャラメルを口に入れた。
由稀菜は相変わらず、険しい顔をする。

「「「「「「ゔっ」」」」」」
「ほらぁ!!不味いの分かってるのにあげるからぁ!!」

ジンギスカンキャラメルを一度口にした事がある由稀菜。
その味は今でも覚えている。
興味本意で口にしたそれは,1分も経たずに由稀菜の口から出された。
その後の由稀菜はといえば、不味い、を連呼しながら泣いていたという・・・。
そして、6匹はといえば、苦しんでいる顔をし、口に手を当てていた。
皆、やっぱりか、という顔をした・・・その時だった。





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