CODE-440短編・ショートショート
□【結ばれぬ日々】
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わたしもたまたまだろうと思い、もう一度見合いをした。しかしそれも流れてしまった。
わたしは一日中泣いた。わたしには幸せな家庭を築くことが許されないのだろうか。
ねえ神様。
わたしは神様に直接聞いてみることにした。
神様の世界は白一色で、何もなかった。
その中にたたずむ神様にわたしは聞いた。
「どうしてわたしは結婚できないの?」
神様は少し間を空けてから口を開いた。
「……それは言えない」
そう言いながら目を逸らした。
わたしは神様のいかにも「事情があるけど言えません」という態度に激怒した。神様の襟を掴み、にじり寄りながら問い質した。
「なにそれ?神様なら知ってんじゃないの?ねえ!」
なおも神様は目を逸らしながら申し訳なさそうに答える。
「……神様だって……色々あるんだよ」
「はあ!?」
「言えないんだ!!」
神様はそう叫んでわたしを突き飛ばした。
わたしはこうして現実へと戻された。
どこからか雛祭りの歌が聞こえてきた。
いつの間にか商店街に来ていたのだ。
街は雛祭り一色だった。わたしは両親と住む自宅へと向かった。