CODE-440短編・ショートショート
□【友の死】
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僕は今日、友人を殺した。
いや、正確に言えば僕が直接殺した訳ではないんだ。
彼は本当にいい友達だった。しかし、少し度が過ぎたんだ。
僕は常々、彼のひねくれた態度にはうんざりさせられた。
僕は彼のひねくれた態度を真っ直ぐにしようと思った。
そのために僕はそのひねくれを真っ直ぐにしてくれる所を探したんだ。
そして見つけたそこで僕は気づいたんだ。
ここで彼のひねくれを矯正したところで、いずれ戻ってしまう。しかも、その度に真っ直ぐに矯正しなければならない。
毎回みてもらうとなるとかなりの費用が必要となる。しかし、ここで彼がいなくなったらどうだろうか。
答えは簡単だ。
ここで彼がいなくなれば、僕は彼に悩まされることはなくなる。
そう、彼のひねくれた態度に悩まされることはなくなるのだ。
だから僕は彼を葬ってもらうことにした。
最も簡単な方法で、最も安くね。
それにしても彼はいい友達だった。
彼と僕はいつも一緒にいた。
自転車に乗っている時、彼は僕に捕まっていた。
きっと僕と彼は一つになっていたんだろうと思う。
でも、もう彼はここにはいない。
彼との付き合いはかなり長いものだったと思う。
付き合いの長い友達だったのだ。
でも、もう彼はいない。
散髪屋に行った話 fin
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