CODE-440短編・ショートショート

□【温もりの中】
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 ――私を暖かく包み込んでくれたのは彼女だけだ。


 冬、寒さは体を蝕んでいく。


 私は足早に家路を急いだ。


 空を見上げると、白い雪が舞い始めていた。


 それは誰もが幻想的な光景だと思うだろう。


 しかし、今の私にはそういう風には見えないのだ。



 どうしてこんなにも虚しいのだろうか。


 私は玄関のドアを開け、中へと入る。

「ただいま」


 そう主の帰りを知らせる。


 どうやら私の心を癒してくれるのは彼女だけだ。


 コートを脱ぎ、彼女のもとへと向かう。


「暖かい……」


 彼女に包みこまれた瞬間、その暖かさに言葉が漏れた。


 私は彼女の温もりを手放すことはできないだろう。


 私は彼女と共にあるのだ。



 永遠に……。





 コタツの話 fin



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