CODE-440短編・ショートショート

□【小さな侵略者】
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「侵略の経過報告をいたします」

「順調であるか?」

「はい。世界規模で侵略は進んでいます」

「そうか。下がってよい」

「失礼します」

 報告を済ませた部下は出ていった。

 私は「この世界はテクノロジーで出来ている」と思っている。

 人類は自分達の生活を豊かにするためにテクノロジーを発展させた。
 中には気がついたらテクノロジーに囲まれていたと言う者もいるだろう。そして人類がテクノロジーに囲まれているという事実は都会に目を向ければ一目瞭然である。


 人類の生活の変化。

 それは過去、それも第二次大戦以前と比べる事によって明らかだ。

 大戦以前は車がこれ程多く走っていただろうか。今や一人一台とも言える状態だ。

 夜、24時間営業などは限られていたはずだ。今や田舎でさえもコンビニエンスストアの明かりで照らされている。

 家の中、最も変わったのはこの空間だ。風呂は自動で焚かれ、トイレは己の尻を拭う必要もなく、部屋に置かれた小さな画面は世界と繋がっている。

 このようなテクノロジーは第二次世界大戦の終わりと共に爆発的に発展したのだ。


 そしてそのぬるま湯とも言える環境で我々は侵略を開始した。
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