CODE-440短編・ショートショート

□【無邪気な笑顔のために】
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私の仕事は知識を与えることだと思っている。
仕事場は小学校だ。
子供達はわからないことがあると私のところへやってきて聞くのだ。
例えば「会社ってなに?」と聞かれたとする。
すると私は記憶の中からそれがなんなのかを答えるのだ。
私はたまに先生方から頭が固いと言われる。しかし私にはなぜだがわからない。
なぜだろう。

なにもする事がないときがある。
そんな時、私は机から子供達が遊ぶのを眺めている。そうしているのが好きなのだ。
教室の中を所狭しと駆け回る子供達には癒される。
それが嫌いな人もいるようだが、私はこの子共達から元気ももらっているのだ。

ある日、女の子が「好きとはどういうことなの?」と尋ねてきた。
私はいつものように答えた。
どうやら誰かが気になっていて、それが好きと言えることなのか確かめたかったようだ。
私の答えを聞いた後、女の子は友達のところへと向かった。
女の子はしばらく友達と話していると、急に顔を赤らめた。
あの女の子は誰かに恋をしているのだろうか。
年頃の女の子の事はよくわからない。
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