novel

□螢舞う頃
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「あ〜あ」

暗い帰り道、あからさまな溜め息をロイドはつきながら、名残惜しそうに列の一番後を歩いていた

俺様と言えば、ロイドが一人で螢舞う場所へ戻らないよう監視を兼ねて、ロイドの前を歩いている

「なぁゼロス」

「ん?どうした?」

不意にロイドは俺様の裾を引いて

「此処さ、モンスターも居なそうだし、里への道は一本で間違えようがないし、な?」

言わんとする事は解る…解るが…
暫思い悩むが、再度お願いをされて、俺様は理性にさよならを告げた
こんな風に、ちょっと上目遣いに身体を寄せながら、ロイドにお願いされたら、なけなしの理性など吹っ飛ぶと言うものだ
俺様はロイドに、仕方無いと言う様に一つ頷くと、リフィル様に声をかけた

「リフィル先生〜俺様達ちょっとトイレに行きたいから、先に帰っててくれるか?」

俺様の嘘に、ロイドは赤くなった
まぁ、当然な反応だな、でもこのくらいの事言わなければ、不振に思われるだろ?(この嘘だってかなり苦しいけどな)

「我慢出来ないかしら?」

困った様な、呆れた様な表情でリフィル様が言ったが、俺様は間髪を入れず

「無理で〜す」

ヘラリと笑いながら答えた

「…仕方無いわね、モンスターは居なそうですし、良いわ行ってらっしゃい」

何か言いたげなガキンチョに、明日な!と声をかけ、俺様とロイドは少しはなれた木の影に入った







「んっんんっ」

浴衣の合わせ目から手を忍ばせ、直に肌に触れる

ロイドは何とか身体を捻って逃れようとするが、はっきり言って無駄だ
俺様はロイドの弱点を確実に攻め、自由を奪っていく

「やっ…ゼロス!」

暫く堪能してから唇を離せば、ロイドがイヤイヤと首を振りながら俺様を見上げた
その様子が、更に俺様を追い詰めているなんて、ロイドは気付いて居ないんだろうな…

「嫌って言ってもな〜ロイド君が誘っただろ?」

「なっ?!俺は」

「二人っきりになるって事は、こうなる事を期待してたんだろ?」

違うか?と首を傾げて問えば、ロイドは黙って俯いた
衿から覗く首筋が、夜目にも赤くなっているのが判る

何も言わないのを、肯定と受け止めて、俺様は顔を寄せ、やんわりと耳を甘噛みする

「っ!」

ビクリと、面白い程震える身体に気を良くして、首筋、鎖骨と唇を寄せて行き、布を留めている1枚の帯を解いた
服は意図も簡単に、ロイドの白い肌を露にする


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