【cool,boy】No.1


□【心…】
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蒼の館


劇団員と すっかり打ち解けた玲は 初日に向かって 稽古に励んでいた。


「明日 舞台衣装を着けての スチール撮りと 宣伝CMの撮影がある…メインキャストは YKスタジオに集まってくれ それ以外は 休日とする…以上 解散!!」


「「はいっ」」


劇団員が 各々帰り支度を始める中…


「光君」

帰り支度をしていた 海老根に名前を呼ばれ 顔を上げる。


「はい?」


「明日の撮影 光君にも 入ってもらいたいんだが…」


「え?…俺が?…でも 俺…メインキャストじゃないし……」

「ネームバリュー…じゃないけど…芝居なんて観てもらって 成立する世界だからな………客集客のため 協力してもらえないかな?」


「…わかりました……でも 俺の名なんて 大した威力ないと思いますよ?」


「! ……………君は…本気で言ってるのか?」


海老根は 驚いた顔をする。


「はい?」


「…ふぅ…君は…君の名前の影響力を 自覚する必要があるな……」


「…影響力……?…ですか?」

「…君の言動 行動で 一喜一憂する 人達やファンがいる……ということだよ……自覚を持たないと駄目だぞ…」

「…自覚…」


「海老根さん…大丈夫ですよ〜 光にゃ 俺がよく 教えますから…」


「蓮?」


「蓮さん…?」

突然 入ってきた蓮に驚く 海老根と玲だったが 海老根は何かを察し 苦笑いをする。


「……ふっ…わかった…蓮 あとは 頼むぞ…あと 明日は遅刻厳禁だからな?」


「ウィスッ!」


蓮は おちゃらけて 敬礼をして 光の腕を取る。


「光 メシ 食いにいこうぜ?」

「え…?」

(いきなりご飯のお誘い!?)



「今日は あの子(優多) ロケで京都なんだろ?…メシ 作んないだろ?」

「はい…そうですが…」


「なら メシ付き合え なっ?」

「はい…じゃ行かせてもらいます」



「よし!…と 光は まだ未成年だから 飲み屋はマズいよな…ん〜…光は何が食いたい?」

「…俺?…そうですねぇ…………チーズ系統の料理とか……?」


「??…チーズ系統の料理…??」

…ラーメンとか寿司とか焼き肉とか言うと思ったのに 曖昧な“チーズ系統の料理”に 困惑する蓮。


「チーズ 大好きなんですよ 俺」


「………そうか…【delicious】で いいか?」


(…チーズ?…俺には…ファミレスしか出て来ないよ…)


「はい♪」

(やった〜 【delicious】のピザと チーズグラタン 大好きなんだ〜)



意気揚々(?)と 玲と蓮は 【delicious】に向かう。





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