【cool,boy】No.1


□【心…】
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とある病院


「どうです?…ここなら 静かですし 社長の従兄弟さんが経営されてる病院だから マスコミ対策も万全です……ゆっくり治療に専念できると思いますよ」

相模原未優のマネージャー 森下辰也は 笑顔を見せながら ベッドに横になっている未優に言った。


「…すみません…私の不注意で 大怪我してしまって…近々 ライブツアーもあるのに…」


「…仕方ないですよ…それより 安静にして 早く足を治して下さいね」


「…はい」


「それでは 僕はいったん 事務所に戻りますから…」


「森下さん…ありがとう…」

「…(ニコ)」


バタン


「ハァ…」


森下辰也が 出て行った後 未優は ため息をつき目を閉じる。


「…」

(…ここまでは…ストーカー…来ない…よね…来られたら この足じゃ逃げられない…)

未優は バイクでひかれ 複雑骨折をした左足を恨めしく思った。



「…光君…助けて…怖い…」


知らず知らず 未優の目から 涙がこぼれていく…



「…光君…会いたい…会いたいよ…」



相模原未優は ひと月前くらいから ストーカーに悩まされていたが 周囲には黙っていた。


部屋で リラックスしている姿や お風呂前の下着姿の写真が送られて来た時は さすがにショックで 唯一信頼できる後輩 川嶋 沙也香(優多の同級生)にだけ ストーカーの悩みを言ったくらいであった。


「…光君…好き…大好き…」


“光“を想うことで 不安 孤独 恐怖 を払拭しようとする未優。




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