【cool,boy】No.1


□【心…】
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それは何気ない朝に始まった…

いつものように 優多と朝食をとっていた時 テレビからショッキングなことが…。


『昨夜未明 シンガーソングライターの 相模原未優さんが ひき逃げにあい 全治1ヶ月の大怪我を負ったもようです』


「「えっ!?」」

テレビのアナウンサーの言葉に 顔をあげる 玲と優多。


『…犯人はまだ捕まっておらず…まだ捜査中とのことです』


「相模原さんがひき逃げに…」

玲が 呆然としながら言った。


「犯人ってさ…まさか…ストーカーじゃないよね?」


「ストーカー?」

「うん…僕 相模原さんの事務所のコの同級生と クラスが一緒なんだケド…そのコが言ってたんだ…最近 相模原さん ストーカーに悩んでいた…って…」


「ストーカーに…」



「何だか すごい嫌がらせされてたみたいで……相模原さんノイローゼっぽくなってたって…」


「………」

(相模原さん…)







雑誌の取材で 待ち合わせ場所に移動中の時 玲は 速水に言った。


「速水さん」


「何ですか?」

「相模原さんの事件…テレビで聞いたけど…」



「…ええ 酷い人がいますね……ひき逃げなんて…」



「…相模原さんの…病院ってわかる?」


「…相模原さんの事務所に聞けばわかると思いますが……光 お見舞いに行くんですか?」


「…うん」



「……」

速水は深刻な顔になる。


「相模原さんへのお見舞い……あまり…賛成しかねますね…」


「…どうして?」


「…光はデビューに向けて多忙だし 蒼の館の舞台もある……恋人でもない女の子のお見舞いに行くのは 止めた方がいいと思います」


速水は 遠まわしに スキャンダルになる…と言っていた。


「…相模原さんは友達だよ…」

玲も 速水の言わんとしていることはわかってはいたが……


「光はそうでしう…ですが 相模原さんは 光が“好き”なんですよ?…願わくば 友達から恋人に…って思っているかもしれない…って……ああっ…私だって こんな嫌な事は言いたくないんですよ…でも 光も大事な時だから…わかって下さい」

「…速水さん…わかりました」


玲は 車のシートに 身を沈めた。




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