【cool,boy】No.1


□【蒼の館】
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「2番目のドア…ここか…」


玲は 海老根の部屋の前に立つ。


「………ゴク」

(…落ち着け…落ち着け…)


意を決した玲は 海老根の部屋の扉をノックする。


コンコン…


「はい? どうぞ」


「失礼します」

ドアを開け 中に入る。


「初めてお目にかかります…トワイライト事務所から参りました光です…今日からよろしくお願いします」


玲は そう言うと 海老根に頭を下げた。


「演出担当の海老根 公彦です…光君…君は…自分の立場はわかっている?」


「はい……役はいただいていますが 不出来であれば劇団員の方が選ばれると聞いてます」


「…そうか……まあ…私としては劇団員であろうと光君であろうと 私の求める演技をしてくれれば 誰でもかまわないんだよ実際…」


「………」

「…だが…劇団員達は そうはいかない……君の参加は 団員達には面白くないだろう……場合によっては辛いかも知れない…それでも君は耐えられる?」

海老根の試すような言葉にも玲は動じたりしない。


「……俺…『大柴 学』の役は誰にも渡しません」


玲は 真剣な眼差しで 海老根を見返した。


「…いいだろう…では団員達と顔合わせする…来たまえ」


「はい…」


玲と海老根は部屋を後にする。



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