【cool,boy】No.1
□【波乱の幕開け】
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朝
速水からスケジュール表の説明を受ける。
「…ラジオ?」
「ええ…相模原未優ちゃんの番組ですが、ゲストに…とずっとオファされてて…」
「ずっと?」
「ええ。まあ…スケジュールも空いてたので、承諾したのですが…」
「………相模原って…岡崎真利亜と仲が良い子でしょ?…あんまり気が進まないなァ」
初対面での印象の悪さが、まだ残っている玲だった。
「…噂では…最近仲違いをしたみたいですよ。今は…全然 交流しなくなってるらしいです。」
「え?」
玲は、速水の顔を見る。
エルモス事務所
「あ…はい。そうですか…はい。有り難うございます。」
相模原未優のマネージャー・森下辰也が、嬉しそうに携帯を切る。
「未優。光…OKだぞ!」
「え?…本当に?」
「ああ…」
「光君 来てくれるんだ…嬉しいな。」
「…」
久し振りに 嬉しそうに笑う未優にホッとする森下。
最近の未優は、あまり元気がなく、唯一喜ぶのは『光』の話題の時だけ……
なので森下は、必死に光を未優のラジオ番組に呼ぼうと、トワイライト事務所にアプローチし続けていたのだ。
「森下さん。有り難う。……そして…ごめんなさい…」
未優は、森下が頑張って光を呼んでくれていたのを知っていたので、申し訳なく思う。
「いいんですよ。未優が少しでも 元気になってくれれば…私は嬉しいですから…」
「森下さん…」
「…本当は未優が、元気がない理由を話してくれれば…いいんですけど………」
「………………ごめんなさい。」
親友だった 岡崎真利亜とケンカしていて、嫌がらせを受けているなどと 未優には絶対言えない事だった。