【cool,boy】No.1
□『…イベントで…』
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「ママ…と…ヒック…いたいよ…」
光は泣きながら言う。
「……ママの…言うこと…うっ…ゴホゴホ… 聞けないの…光?」
お母さんの周りは血だらけだ…いったいどれくらいの血を流したのだろうか…
「ママ…」
「…光…ママは…光が嫌いよ…ここから出て行きなさい…」
「マ…」
若いお母さんは、もっと強い口調で言った。
「光、出て行って!!ママは光の顔なんて見たくないの!!」
「!(ビクッ)」
若いお母さんの渾身の叫びに光は震えた。
「あ……ご…ごめんなさい…ママ。ひかるが…いて…ごめんなさい…………ごめ……」
大粒の涙を流し 身体を震わせ 光は少しずつ玄関へと後ずさる。
「…ママ…が…ひかる…キライでも…ひかるはママが大好き…」
バタン
「…………」
玄関のドアが閉まる。
「…光…光…ママも光が大好きよ……ごめんね…最期の別れが…鬼のようなママ…で…でも…ああ…言わないと光…ママの側から離れないんだもの…ママが死んでも離れない……んだもの…ひ…かる………」
やがてお母さんはゆっくりと目を閉じる…とともに玲の意識も途切れた…
「…かり…光!!」
「………」
…ゆっくりと玲は涙に濡れた瞳を開けた。