【cool,boy】No.1


□『…イベントで…』
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「!光…どうしたんですか!?」

(…玲君…)

ミラー越しに玲の涙を確認し慌てる速水。

「…何故か…わからない…けど…涙が…止らない……哀しくて」

玲は溢れ出る涙を止められないでいた。

「………」

(どうして?…感情がコントロールできない…)

意識が遠のく中 玲の脳裏に血だらけで倒れている女性がうつり…そして玲は失神する。

バタリ…

「光!?」



「ん…」

目を開けると、薄暗い霧の何もない空間に玲は倒れていた。

《…ここは?》



玲は透明人間のようになっていた。

「………!」

誰かの怒鳴り声が聞こえてきて、玲はそちらを見る。

《あっ!》

倒れている若い女の人が小さな子供に怒鳴っていた。

「…行きなさい!!ここにいちゃだめ!」

「やだ…ママと…いたい…」

「うっ…ゴホゴホ…」

《!》


若いお母さんは 大量の血を吐いた。

「ママ…」

子供は母親のそばにかけよろうとする。

「光(ひかる)!来ないで!!」

《!(えっ?)》

(…ひかる?)


「ママ…」

「…光…外に行って誰かに助けを求めなさい…ママは…もう…」

若いお母さんは、自分の死期が近いのを予感しているようだった。


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