【cool,boy】No.1


□『新星・光誕生!』
2ページ/12ページ


光…こと玲は、1年の月日をかけて男の所作 モデルの基礎 言葉遣い ボィストレーニング 演技 ダンス 英会話 …etc.を叩き込まれた。


過密のスケジュールのもと、玲は必死でやった…生きるため…これからの自分の未来のために…

それに何かに熱中していれば、その時はこの身の不運を忘れていられたから…


3月の初め頃、社長の神崎雅樹から、東京へ戻るようにと電話があり 今、速水の車で東京へと向かっていた。

「…雅樹。何の用なんだろうね?…速水さん…何か聞いてる?」


「さあ…社長からは、あなたの仕上がり具合を聞かれただけですから…」

「…ふうん。」

玲は闇色の景色を眺める…

「…1年かぁ…長かったな…」

すっかり男の体にも慣れている様子。男の仕草も違和感がない…

「…たいしたものですね…この1年でほぼ覚えてしまわれた…」

「…こういう運命なら受け入れようと決めたら、気が楽になって…今、俺は俺の『光』を目指そうと思っている。」


「それはいいですね。あなたの『光』でいいと思います。」

「うん。…それに俺…事故前の『光』がどんな人とか予測もつかないしね」


「あ…事務所につきました。」

「うん…」


速水の車はトワイライト事務所の駐車場へと入って行く。


次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ