【cool,boy】No.1
□『新星・光誕生!』
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光…こと玲は、1年の月日をかけて男の所作 モデルの基礎 言葉遣い ボィストレーニング 演技 ダンス 英会話 …etc.を叩き込まれた。
過密のスケジュールのもと、玲は必死でやった…生きるため…これからの自分の未来のために…
それに何かに熱中していれば、その時はこの身の不運を忘れていられたから…
3月の初め頃、社長の神崎雅樹から、東京へ戻るようにと電話があり 今、速水の車で東京へと向かっていた。
「…雅樹。何の用なんだろうね?…速水さん…何か聞いてる?」
「さあ…社長からは、あなたの仕上がり具合を聞かれただけですから…」
「…ふうん。」
玲は闇色の景色を眺める…
「…1年かぁ…長かったな…」
すっかり男の体にも慣れている様子。男の仕草も違和感がない…
「…たいしたものですね…この1年でほぼ覚えてしまわれた…」
「…こういう運命なら受け入れようと決めたら、気が楽になって…今、俺は俺の『光』を目指そうと思っている。」
「それはいいですね。あなたの『光』でいいと思います。」
「うん。…それに俺…事故前の『光』がどんな人とか予測もつかないしね」
「あ…事務所につきました。」
「うん…」
速水の車はトワイライト事務所の駐車場へと入って行く。