【cool,boy】No.1


□『別れと…旅立ち…』
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桜花大学病院

特別室

「初めまして…私は速水義之と言います。…これからあなたのマネージャーをやらせていただきます。」


「…マネージャー」

玲はそう言うと、速水から視線を逸した。

「光の中身が神代玲さんだというのは知ってますよ。」

「!」

その言葉に玲は速水の顔を見る。

速水は紙袋から私服を取り出し、ベットの上に置いた。

「これに着替えて下さい。」

「…………どこか行くんですか?」

「退院するんですよ。」

「退院…?」

まだ完全に治ってないのに『退院』すると言われ驚く。


「はい…今から京都にある社長の別荘宅に行きますので…」

「……」

(…京都…)

玲はパジャマのボタンを外し始める…が激痛が体中をかけめぐった。

「…痛…速水さん…」

「なんですか?」

「…京都にはどの位いるんですか?」

「…半年か1年か…それはあなた次第です。実は、京都には男の所作やモデルの基礎…言葉遣い…等などを学んでもらうために行くんですよ。」

「………」

(…男の所作…モデルの基礎…言葉遣い…)

玲はもう逃げられないことを目の当たりにし、覚悟を決めた。

「…あの速水さん…お願いがあります。」

「お願い?」

「…京都に行く前に行きたい所があるんですけど…駄目ですか?」

…先へ進むためにも玲には行っておかなければならない場所があったのだ。

「いいですよ。」

速水は玲の『お願い』を快諾した。


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