□小説

□夢の中で…
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僕は、鶴本直。生まれつき僕は男だと思っているのだが、体は女という、性同一性障害を持っている。
今までの学校はみんな理解してくれなかった。
だけど、桜中学は違った。みんな僕を受け入れ、理解してくれた。とても嬉しかったんだ。
色々と問題が起きたりしたけど、金八先生、3Bのみんなのおかげで、今の僕がある。
長谷川賢ことハセケンとは親友である。僕は以前から自分の正体を明かせず、男のyesterdayとしてハセケンとEmail交換をしていた。だが、yesterdayが僕だと解っても、友達でいてくれた。親友になってくれた。僕はそんなハセケンが大好きだ。男友達として…。
彼には好きな女の子がいる(みたいだ。)。あかねという幼馴染みの女の子だ。彼女はとても可愛いいし、とても優しい子だ。そんな彼女もハセケンの事が好きである(と思う)。
僕が思うに、二人は両想いであろう。
僕もこの二人の恋路を密かに応援し、見守っていた。
『二人が幸せになれますように…』
僕は心からそう願っていたんだ。
そう、あの事件があった前までは………

ある日事件は起きた。
僕は、毎日日課にしているランニングを今日もいつも通りに行っていた。
人通りの少ない道に入ると、おやじ3人が道を塞いで酒を飲んでいた。
僕は困ったが、言うことに決めた。
「すみません。通れないのですが…。」
僕もずいぶん丸くなった気がする。前の僕だったら、きっとおやじ達を睨み付けて喧嘩になっていただろう。
さて、行くかと思っていたら、おやじ達はいきなり「あぁ?!大人をなめてんのかぁ?!」とキレてきた。
相当酔ってるらしい。
あー…、ややこしくなりそうだ…。
そう思っていた矢先、おやじの中の一人が、「君は女か?男か?」と聞いてきた。
「僕は男だ。」
そう言ったら、いきなり僕の胸を触ってきた。
気持悪い…!!
「やめろっ」
僕はおやじを殴ろうとしたが、ほかのおやじ達が僕におそいかかってきた。
酔っている割には、力が強すぎて抵抗できない。
「くっっ…やめろっ」
「よく見ると、お姉ちゃんじゃないか〃〃男の子かと思ったよ〜〃〃胸小さいけど、柔らかくて気持いいよ〃おじさん達と良い事しようか〃〃」

「やめろっ!!(泣)」
抵抗できない力のない自分をなさけなく思ったら、涙がぽろぽろ流れて来た。

『誰か……助けて!!』
僕は、胸のなかで叫んだ。
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