少年部屋

□ハチミツ気分
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なんだソレは…?



もにゃもにゃしながら、ふと手に持っていたリップに書いてある文字が目に入った。





…正直、英語は分からないんだ。でも…。





俺なりの解釈で言ったらさぁその側面には



『このふにふにのやわらかい唇にキスして?』ってなコトが書いてある様にしか思えないんだ、もはや。誘い文句かよ!みたいな!


おまけに。

よくよく見たら、パッケージには堂々と『Kiss Me』…と来たもんだ!


コリャいくらなんでも俺にだって解る!!







…そういうイミにとってイイの?



ってかワザと?なんか…テレる。けどけどっ!!







「〜っ!んーもう!柳さんってば!!」


「ば、バカっ!」


拗ねてる様にあっちを向いていた柳さんに勢いよく抱きつきに飛ぶと、そのままシートから少しはみ出る所に二人して倒れこんだ。



「もう!可愛くないっ!素直じゃないんだから〜♪でも…ソコが」




『好き』


と、軽く笑いながら耳元で囁けば



「…あイタっ」


コツリ、とほんとに小さく頭をポカリ殴られるんだけど。




「…素直じゃないんだから」


ソレ、は柳さんなりのテレなのだ。








「…重い」

「まぁまぁ」





「まだ…昼間、だぞ」


「…ちょっと」





「…黙ってよ?」


ニコリ、として首を傾げて柳さんを覗き込めば



「ぁ…」


この人はコレに弱いから、不服そうな顔しながらも黙って受け入れてくれるんだ。






『身長差なんて、転がしてしまえばなんの関係もない』といった名言を思い出す。



ホント…このヒトのこーゆう顔なんか、こういった状況で見てるとサイコーだ!!って思ってしまうんだ。




誘われるままに引き寄せられていく。





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