少年部屋

□ハチミツ気分
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ドキドキを抑えつつ、チラ見した柳さんの箸遣いのキレイさに。







やっぱりときめいて。
そんでこんなにステキなヒトが、俺を好きでいてくれてる…。そう思うとなんだか口元がニヤけて。ゆるゆるだった。




とりあえず、弁当のおかずがなくなってしまい。まだご飯が残っていたから…。







「……面白いか?」




とっくに飯を終え片付け最中の柳さんをジーっと見ながらひたすら米を食していた。





「う゛、ぐ…」


ハグハグ、あまりにもサイコーなおかずに熱中してご飯を口にどんどん入れていたので喋れなかった。


箸を握ったまま『サイコー!』、と右の親指をグっと立て頷いた。








「『面白い』ってかウマい!!ごちそーサマ!!」



ふぅ、と弁当と柳さんを堪能して息をつきながら片付けをしてペロリと唇を舐めて右横を見つめて笑った。






「…ん?」


ペロペロ舐めてる内に、口になんか付いてんだと思って舐めてたんだけど。



「ん、ん〜?」


なんか…取れ、ない。





「…何をしているんだ?」




「いや。…あ!そっかそっか!!」


歯に当たる『ソレ』を、歯を立てて2、3度。唇の上を往復させた。


ムケかけていた唇の皮が、少しずつ歯に従ってめくれていく。





「…止めておけ」

ムニっ、と口元に『ダメ』(ちょっと、俺の幻聴と幻覚)とでも言う様に柳さんの長い左の人差し指が行為を制止した。





「あ、もうチョットだったのに」



「…この間も荒れていて。いい加減リップを買う、と約束しただろ?」

「あ…。アレ?買ったと思ったんだけど…」



…夢の中でだったか?



俺は目を泳がせていた。





「………」


「あ〜だってぇ!!」



そんなイチイチ口なんか気にすんのは女みたいだ。



『女のコの唇はプルプルが命じゃあ!!』ってヤケに塗りたくってる姉ちゃんの言葉がどうしても浮かんで。






「…どうせ、そんなコトだろうとは思っていたんだ」





ふぅ、と息を吐いて柳さんが先程弁当箱を片付けた袋をカサリ、と混ぜてなにやら出した。







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