復活夢

□ペレストロイカ
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「違うって言ってんだろ!!何べん言わせりゃあ気が済むんだよ!」




突然の怒号に枝葉に止まっていた鳥が一斉に飛び去る。
抜け落ちた羽根は地面へ。
本体は何処か静かな枝葉へ。




「じゃあ湊は誰彼構わず抱き締めんのかよっ、さいってー!」

「だ・か・ら!あれは京子が躓いて」

「ッ、馬鹿湊!」

「!?沢田っ」




いつもの駄目っぷりはいずこ。
固まっている湊を尻目にツナはどんどん走って行く。
くるっと十字路で右折したところで漸く金縛りが溶けた模様。


ダッシュでツナが曲がった十字路まで駆けたが時既に遅し。
目立つ筈の尖った茶髪は目の届く範囲には存在しなかった。




「あー…もう、」




ガシガシと無造作に頭を掻き毟しって曲がったであろう路の先を見やる。
この路を抜けた向こうには確か河川敷があったはずで。


苦虫を噛み潰したような表情のまま走ることはせず。
ゆっくりと脚を踏み出した。
自分もツナも頭を冷やす時間が必要と考えた上での行動。





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