復活夢
□始まりはいつも唐突に
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ボンゴレアジト。
その扉を今、正一が叩こうとしている。
理由は簡単。
ミルフィオーレに捨てられた(と云えば語弊があるかもしれないが)から。
昨日の敵は今日の味方(…逆だったか?)と云うが如く、ボンゴレに入れてもらったのは記憶に新しい。
かく云ううちは浮き足立つ自身を表情に出さないよう必死であり、抑えるにもそろそろ限界だったりする。
ボンゴレ側のメカニック、ジャンニーニと違い名を一切名乗らなかった男。
声質から同年代と推測され、ボンゴレも酷く信頼を寄せていた。
「おー、こいつらが噂の二人だな」
語気に凛とした意志が含まれて聞いていて心地良かった。
そう、まるで今のような…。
「お前がスパナだろ?成る程、機械好きな顔してやがる」
「機械好きって…そんなの判るんですか?」
「俺も同属ですからね。目と鼻が利くんですよ」
「あ、あんた…っ!!」
「ん?」
日本人特有の黒髪黒目のストレートヘアー。
日本人離れした高い身長。
声だけでなく顔貌までもが整っている。
始終浮かべる笑みは人懐っこく、万人受けしそうだ。
初めて聞いたときから胸が高鳴ってはいたが、ここまで激しくなるなんて誰が予測出来ただろう。
好奇心からではない感情で脳中が痺れた。
「おーい、どーしたー?」
「あんたに…惚、れた」
「……はい?」
始まりはいつも唐突に
-昂る感情、限界未知数-
(え、あの…先ずはお友達からってことで)
(!本当か?!)
(互いをよく知った上でそれでも好きだと言うなら考えても)
(是非!)
((あ、可愛いかも…))