復活夢

□まるで我が物顔で
1ページ/2ページ






「十代目ー!お加減はいかがっス、か」





既に日課となっている綱吉宅訪問。
今日もまたその日課をならい綱吉の部屋の戸を開けて固まる身体。
部屋の中には見知らぬ男。
音の発生源である獄寺を見た男は外人で実に気怠気だった。





「テメェッ!一体何者だ!十代目から離れ」

「獄寺くんっ、彼は湊さんって言ってリボーンと同じ家庭教師なんだ」

「なっ、コイツがですかっ?!」

「そうだ。沢田氏、ここ間違っている」





指摘された問題を見つめて、数秒後には間違えた部分を理解できたのかペンが動く。
湊と呼ばれた男は一向に獄寺の方を向かない。
両目とも机上のプリントに釘付けだった。

明日提出する数学のプリント。
勿論獄寺は終わらせてある。





「勉強ならオレが教えます!こんな得体の知れない奴に任すなどっ」

「ドン・ボンゴレに頼まれている。沢田氏、ここも間違っている」

「す、すいません。オレバカなんで」

「これは引っ掛け問題だ。恥じることはない」





クルッと手にしていたシャーペンを回す。
その動作は静かで正確。
余裕綽々な態度に獄寺の額に青筋が浮かぶ。
なにより一番気に食わないのは十代目である綱吉がまんざらでもなさそうに笑っている事。
そして怒りの矛先は笑顔を向けられている湊で。





「おいテメェ」

「沢田氏、合っているぞ」

「本当ですかっ?良かったぁ、これでリボーンに怒鳴られなくて済むよー!」

「オイッ!無視すんじゃねぇ!!」





漸く獄寺とまともに視線を交わらせた。
ガンを飛ばす灰色の瞳と真っ直ぐに向き合って。
湊は首を傾げた。




_
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ