復活夢

□手繰り寄せた糸が繋いだ先は馘
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時空の創造主になるんだと彼奴は言った。
創造主になって俺をこんなにした奴らを懲らしめるんだって言った。


どうやら俺のためらしい。
周りよりも飛び抜けた能力者である自分の渇きを潤すためでもあるようだ。
そんなことしなくて良いのに。





「湊ちゃん。はい、お団子」

「…ありがと」





と言うか腹立たしく思っているのは俺なわけで。
そこから何故白蘭が創造主になって奴らを懲らしめる等ということに発展するのかが分からない。


だがしかし彼奴は非常にご立腹の様子。
それはもう当の本人である俺よりも凄まじかった。





「なーに考えてるの?しかめっ面しちゃって」

「ん、白蘭のこと」

「ホント?嬉しいなー」





こうして笑っている分には他の人と何ら変わりはないのに。
仕事の連絡が一報入れば瞳に残忍さが滲み出る。
やっぱり普通ではないのだろう。


それを容認しなお彼奴と居る俺もまた普通ではないらしい。
近いほど異質さは認識しにくくお付きの人に言われて初めて考えさせられた。


まああれはボンゴレの霧の守護者だったわけだけれど。





「白蘭」

「んー?なに湊ちゃん」

「…大丈夫?」

「だーいじょぶ。湊ちゃんは何も心配しなくていいの!」





きっと彼奴は俺の憂慮を本当には理解していない。
創造主に、何の価値があるというのか。


神など元々存在し得ないというのに態々神になって。
そんな大層なものになって何が拓けるのか。















胸騒ぎがした。
目眩。動悸。貧血。


嫌な予感がしてならない。
今度こそ決着の時だと言って真六弔花を連れた白蘭。
危ないからと置いていかれたのはついここ二、三日の出来事。





「白蘭、俺は…」





いつもは信じない直感の赴くままに故郷日本に飛んだ。





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