復活夢

□手繰り寄せた糸が繋いだ先は馘
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彼奴らを探すのに苦労はしなかった。


あからさまに周りと違う空間。
その空間の中心に広がるオレンジの膜。
更にその中心対峙する白蘭と幼い沢田綱吉。


どうして、嫌な直感だけは当たるのだろう。
双方のあの構え。
最後の一発だということは傍目にも明白だった。





「、白蘭っ!」

「!来るな!」

「ボンゴレの指図は受けない!」





デイジーは死んだ。
今のトリカブトも死んだ。
ザクロもブルーベルもそこらで干からびている。
桔梗は辛うじて生きていた。


最強だと豪語していた奴らがことごとく絶え行く現実。
だから嫌だったんだ。


夢で視た破壊風景。
まさしく今の現状そのものではないか。





「ダメだよ、湊ちゃん。来ちゃダメ」

「俺は、お前達が傍に…さえいれば」

「それじゃ、ダメなんだよ。湊ちゃん、辛い思いばっか」





こんな時でさえ笑うなんて理解し難い。
今にも泣き出しそうな自分が可笑しいみたいだ。





「お前達と居るのは、辛くなかった…っ!」

「そんな優しいとこ、好きだよ」











またしても、思い留まらせることは叶わなかった。
真正面からボンゴレとぶつかり合って白蘭は、消えた。





「ごめん、桔梗。ごめん、ブルーベル。ごめん、ザクロ。ごめん、デイジー」





お前達を止めることが出来なくて。
出来ていればきっとこんな結末にはならなかった。










「ごめん、白蘭」














別にボンゴレ達が憎いとかは思わない。
時空の創造主というものに取り付かれた此方が白蘭が世界的には悪役で。
彼奴を倒し栄光の勝利をもぎ取ったボロボロのボンゴレ]世は正義として云われるのは必須。


ただ全身から力が抜けていってその場にへたり込むぐらいしか俺には出来なかった。
信じてないはずだけれど神なんか、嫌いだ。









-そして消えるんだ-






(これ以上、奪うなよ)
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