復活夢
□偽装現象
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「やっぱ十年経つとスゴいのな。スクアーロの奴滅茶苦茶強いのなんのって」
「…」
「最初はコテンパンにやられたけど、」
「……?」
目で疑問を投げ掛けゆっくりと首を傾げる。
どうやら続きが予想付かないけれど次を期待しているような動作。
嬉しそうな笑みが一転して、ニッと自信に満ち溢れてる笑みになった。
「オレも強くなったぜ。幻騎士と戦ったときよりも、確実に」
傲りではない。
傲慢と自信は紙一重で相反するもの。
境界線なんて至極曖昧で不明確。
どちらも持ち過ぎれば隙を生むけれど。
「次こそはツナの、ダチのために勝つ!」
黒の瞳に覚悟が灯る。
その清んだ心意気。
眩しかった。
子供は良くも悪くも純粋だ。
普通は月日を重ねるごとに淀み濁るも。
きっと彼らの芯は揺るがない。
「…そ、だな」
「!湊さんっ」
「大、丈夫。…武、は…強い、…から」
何より心が、これは音を為さなかった。
恐らく伝わってはいないが、それでも構わない。
頬に出来たかすり傷に痛めない程度にそっと触れて僅かに顔をしかめる。
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