復活夢

□意味なし訪問
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さてさてコーヒー豆を無事発掘。
しかもどういう風の吹き回しだったのか少し値が張るブランド豆。
これは是非とも飲んでみなければ。



「(…まだ居るし)」



というか拗ねてる。
そのくせ見ない間にほんの数cmずつにじり寄ってくるのだからいじらしい。
何をそんなにこだわるのか。






こぽこぽ音を立ててコーヒーが沸き始める。
あとは時間をかけてじっくり煮詰めるとして。
さ、あの拗ねてる姫様をなんとかするとしますか。




「ディーノ」

「…」

「…ったく」

「っわ!?」




よし靴は脱いでたな。
驚いたこいつを俗に言う姫様抱っこで持ち上げる。


うん、やっぱり重たい。
そして五月蝿い。
耳元で騒ぐな。




「なんでこのコーヒーまだ飲んでねーわけ?」

「んー?何コレお前が持ってきたんだっけ?」

「…もういい」

「美味い」

「そ、か…なら良かった」




あからさまに安堵を表すこいつは、しかし飲もうとしない。
コーヒーが嫌いではなかったはずだ。


本当に何しに来たのか。
理解に苦しむ。








この数時間後俺は任務へ、ディーノはロマーリオ達に引き取られた。


そして、今回の訪問は俺の誕生日を祝うためだったのは後に知る事実。





意味なし訪問

-と見せかけて-
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