復活夢

□夜這いに御用心
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焦点の定まった灰色。
ほんの一瞬、視線がかち合って。



瞬きする間なく腕を掴まれると力強く引かれた。
衝撃、追って訪れる感触。



それがルイの胸と認識するまで、また数秒。





「え、ドクター?どうし、」

「喋ると舌噛む、ぞ!」

「ぅ、わっ!」




腹の底に深く響く発砲音数発。
銃声は聞き慣れてはいるものの、ルイの武器は心臓に悪い。



文字通り銃口から火でも噴いてそうだ。
視野の隅に留めた銃弾が纏うのは黄色の炎。
そして先端には僅かな赤色の炎。




「ドクター分かってたんですねー」

「はっ、オレの寝込みを襲おうなんざ1億年早ェってんだ三下が」

「…ミーも三下になりますー?」

「微妙」

「そこは嘘でも否定するところでしょ」




分厚い壁の反対側から耳障りな悲鳴が上がる。
以前聞いたところによると弾丸には骨を形成する“骨芽細胞”(だったはず)が組み込まれているらしい。



なんでも撃ち込まれた箇所でその細胞が瞬く間に骨へと成長するとのこと。
いずれは臓腑を貫き、神経を絶ち、表皮を裂いて。
人体を死に至らしめるという。



そして、フランの抗議はあっさりと無視された。






「大蛇」






フラン(幻術ではあるが)に巻きついた蛇が俊敏な動きで窓から躍り出る。
ちなみにこれも匣兵器だったりする。



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