復活夢

□10月14日01時23分
2ページ/6ページ


「君さ、この日から一週間海外行くからって約束ドタキャンしたよね?」

「あぁ、したな」

「じゃあ、なんで沢田綱吉と出かけてるの」








徐々に殺気が部屋に満ちてくる。
初めは驚いた表情を浮かべていた湊だったがすぐに本へと視線を落とした。
意外にも早く平静を取り戻したようで。



その反応に雲雀の顔が一瞬歪んだのに彼は気付かない。








「なんで」

「嘘言ったわけじゃねーぞ」

「そんなこと分かってる。僕が言ってるのはなんで君がこの草食動物と一緒に居たのかってことだよ」

「その日は綱吉の誕生日だったんだって」











頭の中で何かが切れた気がした。
鋭く空を斬る音。
空しくも犠牲になってしまった本の落下音。
華麗にかわした湊の軽やかな着地音。



全てが耳障りで仕方がない。









「どうして避けるの」





――――…こっちなんて見てないくせに。





「あ?自然の摂理ってやつ?」

「、噛み殺す」

「っと!また腕を上げたな、恭弥」

「あの草食動物を呼ぶように言わないでっ、くれ、る?」








派手な音をたてて応接室の戸をぶち破って廊下に躍り出る。
後で直さなきゃな、場違いにも意識は無機質なソレへ。
無論、その間にも間髪入れずに攻撃は繰り出されている。
どれも紙一重で避け、長い通路を駆け抜けた。









「何怒ってんだよ!っうお、恭弥!!」

「うるさい、な。黙って殺られなよ、馬鹿湊」

「(…俺なんかしたか?)殺ってみろよ」

「っ、君を見てると本当、苛々する…!!」





――――…いつまでも僕の前を歩き続けて、そのくせ





「あっそ。俺は委員長の座は譲ったが、…最強の座を譲った覚えはないぜ?」

「……」






追い抜かせてくれない。隣にすら、並ばせてくれない。










_
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ