復活夢

□たった一言、その一言で…
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あくる日の朝、いつもの様にロマーリオを部屋に置いて
仕事をしてたら控えめなノックが聞こえた。
ロマーリオに目配せをして仲に入れさせる。
この時間帯なら来るのはあいつしか居ないはずだから。



「ボス。今日の予定を確認させて頂きます」



ほら、やっぱりあいつだ。
オレの幼馴染で…恋人のルイ・グレイが入ってきた。

相変わらず格好良い。

気を利かせたのかロマーリオが部屋を出て行く。



「この後、正午から会議があります。ので、こちらの書類に目を通しといてください」



スッと差し出された書類を当たり前のように受け取る。
整理整頓されてて凄く読みやすい。
オレの所にくる書類はどれもルイが綺麗に清書してくれる。

本当、気が利くなぁ。

昔からルイはマフィア関係が通う学校の生徒にしては珍しく
周りに気を配れる奴で、いつもオレは世話になってた。
今まで一緒に居たのが不思議なぐらいあいつには迷惑をずっとかけてきた。
それなのに…なんで、こいつはオレの部下になんかなったんだろ。



「…、…を回ります。それから……ボス?」



確かこいつの家も大きなファミリーだったはずで。
ボスの座は確実だ、って周りが言ってた。
本人は断固拒否していたけど…なんでだ?



「ボス!!」

「っうお!?」



吃驚、した。

だって、目の前にルイの顔が…っ!!
大声で呼ばれるまで気付かなくて。
そんなに、考え込んでいたのか…オレは。
シルバーの瞳がじっと見つめてくる。



「どうかしましたか?ボス」

「…2人の時は名前で呼べって言ったじゃんか」



自分で言っといてなんだけど恥ずかしくて俯く。
したら、ルイが軽く息をついた風に聞こえた。
前にも、こんなことあったような。



「ディーノ、どうしたんだよ」

「…ちょっと考え事をしてただけだ」



ルイのことを考えていたなんて言えるはずもなくて。
顔の赤みが引かないまま下向いた状態で答える。





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