復活夢

□たった一言、その一言で…
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俺の返答が気に食わなかったのか無理矢理前を向かせられた。
ルイの手が両頬を押さえてるため動かせない。
さらに、自分の顔が赤くなるのが分かる。



「え、ちょっ」

「何年、一緒に居ると思ってんだ」

「ルイ…」

「何が、あった…ディーノ」



真剣な瞳に思わず言葉が詰まる。
意を決していつも思ってた疑問を口にしようとしたら。
ドアが前触れも無く勢いよく開け放たれた。
それと同時に人が入って来たから自然とルイが離れるわけで。

ちょっと、淋しく感じた。



「ルイ様っ、ルタ様が貴方様と話がしたいと」

「ノックもせず入ってくるような無礼者のボスに話などありません」

「しかしっ!クオレの次期ボスは貴方様に継がせると」

「あの人がどう言っているか知りませんが」



駆け込んできたのは俺もよく知っている人物だった。
ルイの親父さんの部下だったはず。
必死の形相で頼み込む彼をあいつは全く相手にしない。
それに、少し怒ってないか?ルイの奴。



「私は、ボスになる気など全くありません。お引取りください」



バッサリ切り捨てた、ルイ。
そこまでする必要は無いと思うけど、口には出さない。
これはあくまで彼らの問題だからな。

でも、親父さんのとこもそれなりの強い所だから
悪い話じゃないのに。
なんでいつも断るんだろう。
オレの部下をやってるよりよっぽど良いんじゃないか?

いや、オレは嫌だケド。



あ、追い出しちまいやがった。良いのか?
ふ、とあいつがどんな顔をしてるのか気になって見てみたら
どこか苛つきながら前髪を掻き揚げてた。
 
…チクショウ。様になってんじゃね―よ。





「で、ディーノさっきの答えは?」






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