復活夢

□怒って怒って最後に笑う
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さっきとは正反対の笑顔で尋ねる彼にまたまた吃驚するツナ。
どもりながらもなんとか返事を返した。



「隼人を助けてくれてありがとう」



お礼とともに額にされたキス。
普通なら嫌悪感を覚えてもいいのにそんなもの全く感じず。
あるのはこみ上げてくる羞恥心のみ。
頬を赤く染めるツナを尻目に湊の肩にリボーンが乗ってくる。



「ちゃおっス。久しぶりだな湊」

「おや、リボーン。久しぶり」

「…オレに挨拶はねぇのか?」

「…して欲しい?」



ニヤリ、と口を歪め小さなその頬に唇を寄せた。
そうすれば照れ隠しのためか帽子で自身の顔を隠す。



「おまっ、何して「湊様」



彼の行動に文句をつけようとしたら女の人の声に遮られた。
憐れ、獄寺。



「どうした?」

「本土にて第1部隊重体傷者数名を出し帰還との連絡が」



形の良い眉が微かに動く。
この一方で誰もが真剣な顔つきになった。
考えるまでもなく、彼らは本土イタリアに戻るとのこと。



「俺は帰る。隼人…泣くんじゃねーぞ」

「なっ、誰が泣くかっ!!餓鬼じゃねぇんだからっ!!」



再び獄寺に向き直り言ったのがこの言葉。
聞き捨てならぬセリフにもちろん彼は反抗する。
普段ならこの後湊の心の篭ってない謝罪が返ってくるのだが

この時は、違った。



「そうだな…隼人は強いもんな」

「…え」

「じゃ、もう行くから」



簡潔に告げると出口へと足を向ける。



「(なんで、そんな…)」





――――…隼人は強いもんな





「(そんな笑い方すんだよ…、まるで最期みたいな…っ)」



そう思ったら口が勝手に開いてた。



「湊っ!!…死ぬんじゃ、ねぇぞ」



振り返って言われた言葉にパチクリとした湊。
だが、次の瞬間には彼に笑みを向け本当に去った。
最上級の笑みを、残して。



「(っあの笑いは反則だろ…っ!!)」



残された獄寺の顔は真っ赤だったとか。








怒って怒って最後に笑う

-怒りとは愛情の裏返しに似ている-
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