復活夢
□怒って怒って最後に笑う
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「…悪ィ…っ!!」
「その言葉聞き飽きた。どんだけ俺を怒らす気だ?あ?」
「っぅ…」
「確かに今回勝てば流れは変わったかも知れねぇ」
謝罪も今の湊には逆効果で。
ついには獄寺の胸倉を掴んで至近距離まで顔を引き寄せる。
近くに居たロマーリオはディーノに目配せをするがディーノは肩を竦める。
完全に傍観をすることに決めたようだ。
「けどよ、持ち主も居ねぇのにリングがあったって意味がないだろ」
「そ、れは…」
そうだけどよ、口ごもる獄寺。
まだまだ湊は止まらない。
「そんなんまでして勝ったって、誰も嬉しくねぇよっ!!」
初めて彼が口を荒げた。
その声は静まり返ったこの空間によく響いた。
しかし、そんな彼の口調とは裏腹に彼の瞳は悲しそうに揺れる。
「そんなに、仲間が信頼出来ねぇのかよ…っ」
刹那、胸倉を掴んでいた手を離しきつく抱き締めた。
「無茶ばっかしやがって。この馬鹿」
「……悪ィ」
「…でも、生きてて良かった」
「湊…」
湊の怒りが収まったところでツナ達もホッと胸を撫で下ろす。
苦しい、という獄寺の抗議でやっと腕を離した。
そして、若干赤くなった頬に手をかけ謝る。
対し彼は自分も悪かったのだと言い苦笑を浮かべた。
いつもと全く違う彼に吃驚するツナ。
「10代目候補の沢田綱吉くんは…君かな?」
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