復活夢
□此方の気も知らないで
1ページ/1ページ
端が見えない程の豪邸。
九代目からのお達しを受け門を潜る。
勿論呼ばれたのはオレのボス・ディーノ。
そしてオレはディーノの部下。
「九代目、ボスに何のご用でしょうか」
「ふむ、…ディーノはどうしたのかね」
「先日までの疲れが溜まっていたようなので私が代わりに承ります」
「そうか。彼はボス想いの良い部下を持ったものだ」
それでは早速、そう言って話された話は九代目には悪いが大したことではなかった。
もしかしたらディーノなら違う風に感じたのかもしれない。
だがしかしそんなことはどうでもいい。
ただオレには然程重要に感じられなかっただけのことだ。
ディーノの自室に踏み込んですぐ膨れっ面した奴と対面する。
自分の預かり知らぬところでオレが何かしたときにする表情だ。
この顔付きが苦手だから耳に入らないよう細心の注意を払っていたのに。
何故バレてるのか。
「ルイ」
「何か?」
「どこ行ってたんだよ」
「九代目の御屋敷へ。貴方の代理としてお話を承ってきました」
「一人で勝手に行くなって…前に言ったのに」
犯人はロマーリオだろうか。
あの人はちょっかいをかけるのが大層好きなようだ。
こちらとしては良い迷惑だけれども。
「隠したって無駄だからな!」
「でしたら、もう少しご自分の身体を労ってください」
此方の気も知らないで
-そして貴方は押し黙った-
(オレはただ倒れて欲しくないだけ)