復活夢

□南中を過ぎて目指す頂
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陽の当たりの良い部屋のベッドの上。
睡眠時間は足りているはずなのにうつらうつらし始めるこの頭。


このまままた惰眠を貪るのも良いかもしれない。
とそこにノックが邪魔をする。


返事を待たずに入って来たのは抱える程の大きな蛙を被った同僚兼後輩。
一番若く歴が浅い。


頭の片隅にフランの世話係を押し付けられた記憶が断片的にあった。





「…何か用ですかー毒舌蛙さん」

「センパイを怒りんぼなボスが呼んでますよー」





寝っ転がった状態を維持して彼を見れば上下逆さまながらに不機嫌そうな表情。
それに大きな変化は見られないからもしかしたら自分だけしか見破れないかもなんてちょっと過信してみる。


彼と一番長く居たのは自分だ。
これは事実。





「ああ、パシリにされたんですねーご苦労なことで」

「態々ミーが来たんですよー早く行きやがれ怠け野郎」





唇がへの字に曲がる。
全く何に怒っているのだろう。
ハッキリとした輪郭を持って形にしないと何も伝わらないというのに。


かったるそうに伸びた語尾。


入隊当初はこんな喋り方じゃあなかった。
どこにでも居るような平凡さの中に秘めたずば抜けた資質。





「と言うかなんで口調真似るんですかー超疑問なんですけど」

「話を聞け話を。ミーがどんな口調をしようがミーの勝手でしょー」

「ふーん…どんな心境の変化があったんでしょうねー」





へらっとした笑みを多分今自分は浮かべている。
その証拠にフランの表情があからさまに歪んだ。


あーあ、美人な顔が台無し。
もっと笑えば良いのに。


でもきっと彼が幹部軍の中で一番まとも。










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