復活夢

□南中を過ぎて目指す頂
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「軽口を叩くその口にベルセンパイの悪趣味なナイフ突っ込んでやりましょーか」

「ごけっこー。君こそ毒舌を吐くその舌、引っこ抜きましょーか」

「ごけっこーです」





彼は殺人を好まない。
強制的とはいえ仕事だから確実にこなすけれど。
ベルみたいに気紛れに殺ったりはしない。


気紛れでは自分もしないが。
殺し方が変質的だと昔アーロに言われた気がする。





「…行かないんですかー」

「んー…行く行く行きますよー」

「言葉と行動が一致してねーし」

「あー布団気持ち良いー」





ジャッポーネ製はやっぱ厳選された素材なだけに肌触りが違う。
それだけに値段も張るが金銭に困ってはいないので楽勝。


いつか日本に永住しようか。
嫌、駄目だ。


あの国の政治経済は頂けない。
何よりこの内なる猛りを吐き出す場所がない。





「フランもいらっしゃいなー」

「、センパイッ」

「…被り物邪魔」





乱雑に蛙を外してぽーいとそこら辺に放り投げた。
こんなことぐらいじゃあ壊れないのは百も承知。
既にこちらのテリトリーに入ってしまっているくせになお抵抗をみせるフランを強く抱き締めてKO。


いや落としちゃいないが。


ふかふかな布団に適度の固さのベッド。
しかも抱き枕付きとなればこれは最早寝るしかないだろう。





「…おやすみなさーい」

「…もう、勝手にしてください」











南中を過ぎて目指す頂

-そこは遥か彼方で終着点-










(少しでも追い付きたくて)

(無意味と知りながら)

(真似た)
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