復活夢

□ラプンツェルの高笑い
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脚を退けてくれたところでナイフをクルリと持ち直して。
掴み上げた髪に刃を向けた。
先程首の皮に薄く切れ目を入れたから、引っ張った途端にミチミチと音を立てて頭部と胴体が隔離。
ぼとり、身体は無遠慮に床に叩き付けられる。




「…何?」

「いや…相変わらずエグいことすんなぁ」

「そお?」




適当にも間違われそうな簡素な解答。
次の返事はなかった。
視線は何処か他方をさ迷っている。
別に直視出来ないわけではないだろうが好んでは見たくないらしい。
暫く辺りを見回してそして空を見上げていた。




「スクアーロ」

「今度はなんだぁ!」

「やっぱ一緒に帰ろ」




切れ込みを入れた首なしの胴体。
迷うことなく手を突っ込み中身を貪る。
粘着質な音が鼓膜に貼り付いて離れない。
綺麗な死体は見るも無惨な肉片と化していた。




「さっきと言ってること違うじゃねぇかあ!!」

「女王様は我が儘なわけよ」

「…テメェは男だろうがぁ」




ぬちゃ、今の今まで既に事切れた死体の臓器を弄っていた手を抜き取る。
赤黒く染まった右手。
血液が滴り床に血溜まりを造る。
きっと自分は満足そうな顔をしているに違いない。










ラプンツェルの高笑い

-その声は耳を裂き頭を割る-







(自分の普通っていつも他人の異常だよね)
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