あべみはべ

□オレとお前を繋ぐもの。
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立ち上がって自販機横の空き缶入れへと歩む。その後ろをちょろちょろ水谷がくっついてきた。
うぜぇ。
「…。泣かないでよ?」
「まじうぜ。泣くか。」
「泣きそうだから言ってんじゃん。」
そういうお前がなんで泣きそうになってんだ。とか思った。
でも水谷は、こーゆーヤツだ。
それがオレに対する優しさだろう。
いつものオレなら言い返して、また水谷がきゃんきゃん吠えて、笑ってそんで終わり。
でも今日はそんな余裕がねぇんだよ。
「本気で、好きだったんだもんね。」
「おー…。」
「そか。…阿部。もちょっと素直に生きなよ」
「余計な世話だ。」
「へへっ。」
かしゃん。と空き缶を捨てた。
「帰るわ。」
「ん。気をつけてね。おつかれー」
「おつかれ」
手をあげて挨拶し、ロッカールームへと足を向けたのにもかかわらず、水谷はまたもしゃべる。
「あっ。」
「あ?」
「今日行くんでしょ。」
「あー…行くかもな。」
「自棄になって事故らないでね。」
「…。ホントうるせぇ。」
「心配してるっつのにっ!」
手をひらひら。と振って水谷を無視した。
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