あべみはべ

□オレとお前を繋ぐもの。
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「んー。あべー、どったの?」
伸びをしながら寄ってくる。
水谷だ。
「…惜しいことした。」
「なになにー。そんなに好きだったの?前、ちょっと言ってた子だよねぇっ。」
いい大人の男が女子高生みたいな反応すんじゃねぇよボケ。
「阿部がそんな風に言うのないじゃんっ。オレちょっとたのし、…嬉しかったんだよ。本当に。阿部が一所懸命好きなの、分かったし。阿部に好きな人できれば、オレもなんか嬉しいって思ったもん。でも、あべ、…あの子、卒業したの?」
べらべらしゃべる水谷。
オレは、呆れつつ、缶コーヒーをすすった。
「今日、な。」
「…。何も言わなかったんだ?」
「言わねぇよ。」
「じゃぁケー番とかメアド渡して、
「ねぇよ。」
「なんで。もう会えるか分からないのに。」
「…。うるせ」
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